将棋ウオーズ級位者が役に立った棋書 その1

3・5・7手実戦型詰め将棋

飯野健二七段著の詰将棋本です。読書というより実用書ですが、今回は詰将棋本を取り上げてみます。
この本には特徴として…
1 全般的な難易度がひかえめ
2 3・5・7手と別れている
3 実戦的な本
という3点があります。それぞれを見ていきます。

総合的にまとまった平易な詰将棋本

詰将棋を作る詰将棋作家は基本的に将棋プロ…ないしは高度な棋力を持つアマチュアです。

そんな彼らからすると、あまりに簡単すぎる詰将棋だと、こんな簡単でいいのかなという思いも生じるようです。

結果としてですが、作られる詰将棋は難易度が高く、実戦性よりも芸術性を追求したものになりがちです。
そうなると解く方からすると、どうなるか? はい、詰将棋を解くのに時間がかかり、効率が悪化し、何より楽しくありません。自身の棋力に見合わない棋書は棋力向上の妨げになるのです。

その点、この本の難易度は低いです。1ページ1問のレイアウトもあり、さくさくと解いていけます。詰将棋の本は各種あれど、これより簡単な詰将棋の本はほんまに簡単詰将棋これぐらいですね。

初心者の方はまずは3手詰めから解いていってください。

3手から5手へ、5手から7手へ

そしてこの本のもう一つの特徴ですが、3手詰め5手詰め7手詰めと順にステップアップしていける点です。私も最初は3手詰めでうんうんと唸っていましたが、慣れてくると5手詰め7手詰めとステップアップしていけました。

プロ棋士の浦野先生が言うには、5手詰めがきちんと解ければ、初段の終盤力があるそうです。自分の棋力に合わせて、長く使える本です。

実戦形を意識した詰将棋本

詰将棋を解くのが趣味という人もいますが、私は自身の棋力向上を目的にこの本を使用しています。そんな私にとって嬉しかったのが、この本の実戦性の高さです。

実戦で表れやすい囲いが崩れたような形や、11香21桂といった形が多くあり、逆に中段玉を捕まえに行く形や打ち歩詰め打開といった作為の作品はあまりありません。

詰将棋に芸術性・作品性を求めている人にはともかく、棋力向上を求めている人にはうってつけの品です。

棋力向上のマストアイテム

今も昔も棋力向上の基本は実戦と詰将棋です。
中でも詰将棋は、簡単なものを何度も繰り返し解くというのが推奨されています。なので詰将棋本は棋力向上を狙うものにとって欠かせぬ随伴者です。

もっとも最近はスマホアプリなどもあります。あれはあれで良いものですが、紙メディアならではの良さもあります。アプリと本を併用するのがベストだと思います。

最後にこの本の欠点ですが、全般的な作品数が少ない(他の詰将棋本やアプリと併用がお勧め)事と、1分で解けたら1級などの棋力判定が甘々な点があります。これを割り引いても良書と思います。

将棋ウオーズで4級~2級ぐらいの間で一番役に立った棋書が、私はこの本でした。

参考リンク

棋書ミシュラン

将棋のブログ

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