天馬(7958)がお家騒動をしているようです2

ヤーヤーヤー 株主総会招集ご通知がやってくる

この時期毎年の風物詩

6月の頭から半ばにかけては、3月末決算の各上場企業から、「株主総会招集通知書」とそれに付随した書類が送られてきます。

株主総会開催通知書の束

かんなわ家は3名義で株を買っていますので多い時は20通ぐらい封書で送られてきます。6月某実にやってきたのが、この天馬の株主総会招集通知書です。

早速内容確認

さてと、内容を確認してみると、いつもの招集通知書に議決権行使書に加えてなにやら見慣れない物が入っています。
それがこれ!委任状と委任状議決権行使のお願いに返送用の速達封筒です。

天馬7289 会社側の主張

これまでの事情を見ていたものとすれば現経営陣が言いたいことはわかります。良くお願いを読んで、現経営陣側の主張を理解してください、そして現経営陣側に都合の良いように議決権を行使してください、委任状を送ってくださいと言う事です。

経営陣側の反撃 株主提案の否定

では具体的にどのような主張を現経営陣側はしているのでしょうか?
前名誉会長側の株主提案を3つの視点から否定して、この提案に反対する事を呼び掛けています。

会社側の主張はweb上で確認できます。

1 この株主提案が取締役会におけるガバナンスの機能不全を招来すること

・この提案は前名誉会長の司治がしているものであるが、そもそもこの人物の経営介入が大きくガバナンスの機能不全を招いていた。
・この提案が認められたら同氏が不当介入を続ける可能性が高い。
・独立した外部取締役を増強していない点で、実効性透明性のあるガバナンス体制構築は不可能

これは従来からの経営陣側の主張です。「悪いのは司治です、彼を排除しなければならない」という主張ですね。それがどうなのかは私ら一般株主にはちとわかりにくいです、ただ判断するのは株主です。

2 就任を拒絶する取締役候補までが含まれている

・この提案にある取締役候補のうち川村・渕上の二氏は就任を拒絶している。

これに関しての反論を前名誉会長側も行っています(pdf)。

主張を要約すると…この二氏ともに藤野社長に近い所で働いている、その状況下で前名誉会長側に益する立場を表明できるわけがないだろ、その辺の気持ちをわかってやれや、なあに心配ない 実際に前名誉会長側の主張が通ったらきっと二人ともこちらの立場で働いてくれる。…こんな感じでしょうか? この二氏に関しての最終意思確認を前名誉会長側が取れていないのはどうやら本当のようですね。

3 経営の連続性はなく、企業価値毀損の可能性が高い

・この株主提案に企業価値向上策は含まれていない
・取締役候補者は上場会社の経営に関与した経験のないもので構成されている
・結果、この提案が認められるとグループ全体の企業価値が毀損される

まあちょっとあいまいですが、司治じゃあかん!という主張です。これも先のリンク先で前名誉会長側の反論(pdf)が読めますがどうなんでしょうか?
企業価値向上の部分に関しては現経営陣側も前名誉会長側も(というかほぼ全ての上場企業が)美しいプランを描いておられますが、その美しいプランを実行できるのかどうかは別問題です。

ただ「上場企業の経営に関与した経験のない者で構成」というのはどうなんでしょうか?株主提案側の執行役員候補のうち、数名は現天馬や天馬の子会社などの役員なんですが、天馬の役員というのは上場企業の経営に関与に含まれないのでしょうか?

天馬ミッション 金田須藤与謝野を守れ!

現経営陣側は株主提案を否定する形で前名誉会長側に攻撃を行っていますが、同時に前名誉会長側からの攻撃に対する防御も行っています。前名誉会長側の強力な主張である、「監査等委員会が適性に欠けると評価した金田須藤与謝野を取締役から外すべきだ。」という意見に対する反論がそれです。

監査等委員会における意見形成手続きがおかしい

株主総会招集通知書の15p~18pを参考にこの項はまとめています。


3名の監査等委員のうち、2人が強引にこの意見書を作成した。残り1名はこの意見形成に関して疑義を呈している。

まあ2対1で多数決で作成されたのがおかしいと言われても…というのが私の感想です。どうやら監査委員のうち、藤本委員が現経営陣よりで北野委員と片岡委員が前名誉会長よりの意見と何度も主張しています。

・北野監査委員と片岡監査委員はおかしな行動がいくつもある

両委員の様々な行動を問題視しています…その一方で藤本監査委員に対するその手の指摘はゼロです。経営陣側の指摘を正とするならば、この両委員はどうしてこうも間違えた主張行動をしていたのでしょうか、また藤本監査委員は両委員の暴走時いったい何をしていたんでしょうか、寝てたんですか?

・とにかく取締役会としてはこの意見は看過できない。

第三者委員会を設置して、今は問題再発にむけて動いている最中だ、見方が偏っていませんか……って意見です。某小池都知事の公約0を揶揄されたのと一緒ですね、今は途中だ!判断の時ではない理論です。

全体として、味方の藤本委員には何も言わず、敵である北野委員と片岡委員についてはぼろくそ言っています。

また泣き所であるX国天馬事件や金田社長への不正融資事件、Y国税関現金交付事件については強気です、いずれも「監査委員らさえ犯人探しに執着して…時間と労力を消費し」「事実も一切ありません」「第三者委員会は認定するに至っていない」と全否定の勢いです。

あ、問題の第三者委員報告書はここで読めます。

うんで結局のところどうなのか?

最低限読み取れること

じゃあ実際のところどうなのか?
各種資料を読み込んだわけではありませんし、読み込んだところで真実の大部分は闇の中っぽいです。
両陣営の主張をさーっと読んでも、自陣営にとって都合の悪い所は隠して、相手方の欠点落ち度を主張しあっているなっと言うのはわかります。

それでも読み取れる明らかな事実はあります。
・各取締役間の相互不信が根深い…平たく言うと仲が悪い
・前名誉会長が相当煙たがられていた存在だった
・不祥事の大部分に現経営陣の主要人物が絡んでいる
・監査法人が最大手のあずさ監査法人から地方の監査法人に変更になった
・この株主提案が通るか否かが前名誉会長vs現経営陣の勝敗に直結する

この辺は両陣営にとって否定できない事実ではないでしょうか。

かんなわの意見

やや前名誉会長寄りの考えでこの騒動を眺めていた私かんなわですが、結論として「株主提案に賛成します。」

理由としてですが…
1 前名誉会長が手を引くのを明言している
かなり癖がある人物っぽい司治前名誉会長ですが、この騒動の一方の旗頭である人物が「創業家は経営から身を引く」と明言している点です。パッシブ株主としては活動すると言っているのが一抹の不安ですが、それでもこの身を引くという姿勢は信頼できると判断しました。

2 現経営陣に疑問符
不正に関わった人物が続投というのは示しがつかないでしょう。バリバリの創業家出身者が会社の金を横に流すというわかりやすい創業家一族の不正というイメージが強いです。

3 ちょっと会社側の言い訳が苦しい
監査委員で味方の委員については触れず、敵の委員だけを総攻撃。各種不正事件は解決済み。悪いのは全て司治。……こういったように読み取れてしまうんです。
会社側に立って読んでも苦しいですし、あー都合の悪い所は隠して、敵失は些細なミスでも大声をあげてるんだろうなって言うのが透けて見えるのです。

4 監査法人の変更
最大手のあずさ監査法人様が「(不正事件の)説明・報告がなく、信頼関係が損なわれている」とおっしゃられ、結果として「任期満了での退任」となっております。代わりの監査法人はそれよりも一回りか二回り小さな監査法人です(別に新たな監査法人をsageるつもりはないです)。
これは大きいですね…あずさ監査法人がダメと言った企業と言う事です。少なくとも経営者は替えるべきと思います。

まあ100株しか持っていない株主ですので、仮にここが倒産した所で実質的な害は私には低いです。
そんな会社の株を買うなよ!っていうか今からでも売れよ!という意見が正しい意見だと思いますが、騒動を観察するためにも当面はホールドを続ける予定です。投資は自己責任でお願いします。

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