2017ドラフト 各球団の評価

2017 ドラフト 各球団の評価

前回の記事に引き続き、2017ドラフトを見ていきます。

ソフトバンク

1位 吉住 晴斗 鶴岡東高 投
2位 高橋 礼 専修大 投  1.14点
3位 増田 珠 横浜高 外  1.47点
4位 椎野 新 国士舘大 投 0.95点
5位 田浦 文丸 秀岳館高 投 0.62点
育成1位 尾形 崇斗 学法石川高 投
育成2位 周東 佑京 東農大北海道オホーツク 内
育成3位 砂川 リチャード 沖縄尚学高 内
育成4位 大竹 耕太郎 早稲田大 投
育成5位 日暮 矢麻人 立花学園高 外
育成6位 渡邉 雄大 新潟アルビレックスBC 投

ドラフト評価点4.18点

1位の吉住は2013年加治屋以上のもっと下の順位で取れただろうドラフト1位。3位で十分とれた選手を1位で取ったのはやはり悪手でしょう…

本人もびっくり指名だったらしいので、単純に1位で取りたい選手と評価したのだとは思いますが、1位枠を捨てたような気がします。素直に行くなら石川か鈴木康が12番目のドラフト一位選手だったのではないでしょうか。

二位の高橋礼も広島が横取りする可能性が低い選手だったと思います。それよりも増田の方が広島の指名ポイントと合致していたので、両方ほしいのなら2位増田3位高橋礼の方がより安全だったのではないでしょうか。

ドラフト会議での他球団の情報収集ができておらず、個人的な評価では12球団の中で最下位です。

西武

1位 齋藤 大将 明治大 投  0.95点
2位 西川 愛也 花咲徳栄高 外 0.43点
3位 伊藤 翔 徳島インディゴソックス 投
4位 平良 海馬 八重山商工高 投
5位 與座 海人 岐阜経済大 投
6位 綱島 龍生 糸魚川白嶺高 内
育成1位 高木 渉 真颯館高 投
育成2位 齋藤 誠人 北海道教育大岩見沢校 捕

ドラフト評価点1.38点

1位を二回外したので11番目の選手になるのは仕方ないのですが、増田や十亀の指名にも通じる、小さくとも確実に戦力になる即戦力選手を取りに行ったドラフト1位ではないでしょうか。

不作の年にさらにくじを外したんですから、その割り切りは正解だと思います。3位の独立リーグの選手や下位の選手は地方での知名度の低い選手。例年通りの西武の指名であり、それで西武は強さを維持しています。

不作の年に悪い籤運なりに、平均点やや下程度でまとめたドラフトという感じです。このチームのドラフト評価点はだいたい毎年低めになる(過去の数字まで出してませんが…)ので、その低さは気にしてません。

楽天

1位 近藤 弘樹 岡山商科大 投 1.93点
2位 岩見 雅紀 慶応義塾大 外 1.14点
3位 山崎 剛 国学院大 内 0.77点
4位 渡邉 佑樹 横浜商科大 投
5位 田中 耀飛 兵庫ブルーサンダーズ 外
6位 西巻 賢二 仙台育英高 内
7位 寺岡 寛治 石川ミリオンスターズ 投
育成1位 井手 亮太郎 九州産業大 投
育成2位 松本 京志郎 光南高 内
育成3位 中村 和希 天理大 外

ドラフト評価点 3.84点

1位近藤は残ったリストの中で最上位だから指名した感じですね。個人的には地元の馬場の方に行くかなと読んでいたので意外でした。1位で即戦力投手を取れたので、2位以下で野手指名を行う余裕もできたので、そういう意味で外れ一位で近藤を取れたのは大きいです。

2位岩見と5位の田中はスラッガーが欲しかったんですが、茂木の成功体験があればこそ追えているのだと思います。あとは7位の寺岡に去年の高梨の成功体験の影響も見えました。

巨人の乱獲の影響もありますが、捕手補強をしないという割り切りがいい方向に作用したのではないでしょうか。

オリックス

1位 田嶋 大樹 JR東日本 投 2.97点
2位 鈴木 康平 日立製作所 投 2.97点
3位 福田 周平 NTT東日本 内 0.97点
4位 本田 仁海 星槎国際湘南高 投 1.57点
5位 西村 凌 SUBARU 捕
6位 西浦 颯大 明徳義塾高 外 0.52点
7位 廣澤 伸哉 大分商高 内
8位 山足 達也 ホンダ鈴鹿 内
育成1位 稲富 宏樹 三田松聖高 捕
育成2位 東 晃平 神戸弘陵高 投
育成3位 比屋根 彰人 飛龍高 内
育成4位 木須 デソウザ フェリペ 御殿場西高 捕

ドラフト評価点9.00点

だいたい毎年ドラフト評価点高め、チーム成績低めの球団ですね。自作したドラフト評価点の限界、即戦力投手集め中心ドラフトの限界を感じさせる球団です。

今年のドラフトは文句なしです。悲願の抽選勝ちでナンバー1投手を獲得に成功して、ウェーバー順位5番目でありながらも外れ1位で消えるだろうと思われていて鈴木康の獲得に成功です。

ソフトバンクや巨人ヤクルトが上位枠・ウェーバー順位の良さを上手く使えなかったおかげの成功です。1~2位で即戦力投手を取れたので、3位以下で行けたいところにもいけています。

抽選勝ちで1点、他球団のミスを突いてウェーバー5位でも即戦力投手を取れたのが1点、1~2位成功で下位で好きな選手を取れたのが1点、ついでにドラフト評価点の高さで1点、以上4点で今年トップクラスの成功球団です。

日本ハム

1位 清宮 幸太郎 早稲田実 内 3.67点
2位 西村 天裕 NTT東日本 投 2.21点
3位 田中 瑛斗 柳ケ浦高 投 2.21点
4位 難波 侑平 創志学園高 内
5位 北浦 竜次 白鴎大足利高 投
6位 鈴木 遼太郎 東北学院大 投 0.62点
7位 宮台 康平 東京大 投 0.95点

ドラフト評価点9.66点

ドラフトでの暴れん坊球団。大谷強行指名、菅野強行指名→抽選勝ちの時もドラマでしたが、今年の7球団競合勝ちもドラマでした。エンターテイメント度で言えば文句なしのナンバー1です。

1位で清宮を取れたのはでかいですが、それ以上に凄さを感じたのが2位以下の指名です。2位西村は幸運ですが、それをしっかりと生かしてますし、上位で即戦力投手を取れたので3位以降で高校生主体のドラフトをできていますし、ちゃっかり左投手も指名できています

また、1位西村2位田中瑛3位難波…と見ていくと、その年11番目か12番目のドラフトぐらいの評価ができるんですよね。今年で言うならば、清宮を抜いた二位以下でもソフトバンクより上で、巨人にちょっと負けるぐらいの指名の充実です。

選手層があまり厚くなく、その時残った良い選手を指名できる柔軟さが日本ハムドラフトの強みです(あとはくじ運の良さ)。その強みを十全に生かした今年最高の指名をした球団ではないでしょうか。

ロッテ

1位 安田 尚憲 履正社高 内 3.02点
2位 藤岡 裕大 トヨタ自動車 内 1.57点
3位 山本 大貴 三菱自動車岡崎 投
4位 菅野 剛士 日立製作所 外
5位 渡邉 啓太 NTT東日本 投 0.52点
6位 永野 将司 ホンダ 投 0.62点
育成1位 和田康士朗 富山GRNサンダーバーズ 外
育成2位 森 遼大朗 都城商高 投

ドラフト評価点5.73点

清宮を外したら即戦力投手かなと思っていましたが、安田を指名してゲットに成功。ポジションが一塁手から三塁手に代わっただけで、同じような役割ですから、当初の補強プランは成功したのではないでしょうか。

上位で即戦力遊撃手は毎年指名されますが、今年の最上位は藤岡です。即戦力投手に向かわずにウェーバートップで指名したのが強い意志を感じます。

ここまでするならば、新監督一年目は順位を気にしないということなんですかね。今年の惨状もあるので、井口新監督も気楽さはあるでしょうが、それだったら下位で中途半端に社会人投手に行かず、比較的有望素材が残っていた高校生投手に行けばとも思いました。

最下位チームなのに今でなく将来に投資したドラフト…だけども来シーズにも少し配慮。非常に現実主義的に最善でなくベターを追求したドラフト指名と思います。

広島

1位 中村 奨成 広陵高 捕 2.97点
2位 山口 翔 熊本工高 投 1.21点
3位 ケムナ・ブラッド誠 日本文理大 投
4位 永井 敦士 二松学舎大付高 外
5位 遠藤 淳志 霞ケ浦高 投
6位 平岡 敬人 中部学院大 投
育成1位 岡林 飛翔 菰野高 投
育成2位 藤井 黎來 大曲工高 投
育成3位 佐々木 健 小笠高 投

ドラフト評価点4.18点

1位で補強ポイントとはずれますが大器の中村を獲得、二位以下は去年に続いての投手乱獲ドラフトでした。

即戦力投手0左投手0というのはさすがにやりすぎだと思いますが、黄金時代にいるチームの余裕の表れでもあります。実際に不作の年に下位で即戦力投手に行くのならば、こっちのほうが良かったかもしれません。

真ん中より上だとは思いますが、1位で中村を取れてなければ評価は低くなったと思います。改めて思いますが、ドラフト評価点が低い指名をひいきチームがすると少しテンション下がります。

阪神

1位 馬場 皐輔 仙台大 投 2.49点
2位 高橋 遥人 亜細亜大 投 0.69点
3位 熊谷 敬宥 立教大 内
4位 島田 海吏 上武大 外 1.57点
5位 谷川 昌希 九州三菱自動車 投 0.25点
6位 牧 丈一郎 啓新高 投 0.69点
育成1位 石井 将希 上武大 投

ドラフト評価点5.69点

金本監督勝負の3年目は即戦力投手で固めた結果になりました。くじを二度外しても馬場を取れて2位で左腕も取れたのでドラフト戦略にも余裕が生まれました。3位以降で野手補強をする余裕もありましたし、将来へ向けての投資も6位で出来ました。

ただ見方を変えれば総花的なドラフト指名で自チームの補強ポイントを見えていないとも思います。くじで負けたのは仕方ないとはいえ、不作の年に即戦力確保にはしるのはどうなんでしょうか。

横浜

1位 東 克樹 立命館大 投 2.97点
2位 神里 和毅 日本生命 外
3位 阪口 皓亮 北海高 投 0.62点
4位 齋藤 俊介 JX-ENEOS 投 0.52点
5位 櫻井 周斗 日大三高 投 0.77点
6位 寺田 光輝 石川ミリオンスターズ 投
7位 宮本 秀明 パナソニック 内
8位 楠本 泰史 東北福祉大 内 1.4点
9位 山本 祐大 滋賀ユナイテッドBC 捕
育成1位 中川 虎大 箕島高 投

ドラフト評価点6.28点

総花的なドラフト指名と言えばこのチームもそれは伝統です。ただ近年は左腕で当たりが続いており、その流れで東指名は納得できる妥協の範囲ではないでしょうか。

不作の年に9人指名するというのは長期的チーム構成ができていない意味でマイナス、また捕手の指名も育成に等しい9位で一人ですから、ここもどうなんでしょうか。

悪くはないけど、良くもない…だけどこんなドラフトを続けてチーム力を少しづつ上げていっているのは事実です。なんとも評価しにくいというのが正直な感想です

巨人

1位 鍬原 拓也 中央大 投 2.21点
2位 岸田 行倫 大阪ガス 捕 0.52点
3位 大城 卓三 NTT西日本 捕
4位 北村 拓己 亜細亜大 内
5位 田中 俊太 日立製作所 内 0.77点
6位 若林 晃弘 JX-ENEOS 内
7位 村上 海斗 奈良学園大 外
8位 湯浅 大 健大高崎高 内
育成1位 比嘉 賢伸 盛岡大付高 内
育成2位 山上 信吾 常磐高 投
育成3位 笠井 駿 東北福祉大 外
育成4位 田中 優大 羽黒高 投
育成5位 広畑 塁 立正大 捕
育成6位 小山 翔平 関西大 捕
育成7位 折下 光輝 新野高 内
育成8位 荒井 颯太 関根学園高 外

ドラフト評価点3.50点

何度かくじを外したので、1位でとった選手が11番目の選手になるのは仕方がないでしょう。

捕手と内野手を強化したいのはわかりますが、ここまでいるのか?というのが疑問です。他球団が指名を狙っていたので2位岸田までは理解できても、3位でも追加取るのならばせめて高校生捕手で良かったのではないでしょうか。

また、長打力ある岩見を2位で田中耀を5位で楽天にとられたのを悔しがっていますが、岩見を取られた時点で田中耀を繰り上げて3位か4位で取ればよかったのではないでしょうか。

似た1~2番タイプの北村田中若林はだれか一人か二人が取ればokと考えれたら…2位岸田3位田中耀4位北村5位田中俊といったのも可能だったのではないでしょうか。

補強ポイント被りまくりなのと、脇役タイプの選手が多いのと他球団情報収集の甘さで自分の中での評価はブービです。

中日

1位 鈴木 博志 ヤマハ 投 2.97点
2位 石川 翔 青藍泰斗高 投 2.97点
3位 高松 渡 滝川二高 内
4位 清水 達也 花咲徳栄高 投 1.57点
5位 伊藤 康祐 中京大中京高 外
6位 山本 拓実 市西宮高 投 1.05点
育成1位 大蔵 彰人 徳島インディゴソックス 投
育成2位 石田 健人マルク 龍谷大 投

ドラフト評価点8.56点

落合GM時代にはありえなかったドラフト方針です。くじを外しても1位2位でドラフト評価点が高い選手を取れたのはお見事!

下位では高校生ばかりで、来年でなく将来を見据えているのがはっきりわかる。ドラフト自体は評価できても、来期のチーム成績にはあまりつながらないと思いますが、これも割り切ったって事なんでしょう。

不作の年にくじを外したら何かを割り切らないといけないのです。西武は大成功をあきらめて、中日は来シーズンをあきらめたのだと思います。両チームとも手堅くまとめたのではないでしょうか。

ヤクルト

1位 村上 宗隆 九州学院高 捕 1.83点
2位 大下 佑馬 三菱重工広島 投
3位 蔵本 治孝 岡山商科大 投
4位 塩見 泰隆 JX-ENEOS 外
5位 金久保 優斗 東海大市原望洋高 投 0.69点
6位 宮本 丈 奈良学園大 内 1.47点
7位 松本 直樹 西濃運輸 捕
8位 沼田 拓巳 石川ミリオンスターズ 投 0.25点

ドラフト評価点4.24点

1位の村上は時間がかかりそうで最下位のチームにどうなのという意見もありますが、誰を取ってもしばらくチームは苦戦でしょうからかまわないでしょう。

それよりも問題は2位の大下ですね。150㎞連発でフォークも切れる投手ですが、おそらく4位でも取れる選手です。

35番目の3位で取れないかもとひよって、14番目で取ったのだと思いますが、風張星小川とヤクルトはこの手の指名が多いです。C薮田のような隠し玉2位にふさわしい選手だとしても3位で獲得して2位で石川や鈴木康や西村に行くという選択肢は無かったのでしょうか?

3位の蔵本にも同じような事が言えますが、近年のヤクルトの低迷原因の一つの独自路線がマイナスに出ていると思います。ドラフト評価的には下から3番目ぐらいです。

 まとめ

各球団を評価づけるならば…大成功が日ハムオリックス 成功が中日、まあ成功が楽天、普通が広島、横浜、西武、ロッテ やや失敗が、阪神 失敗がヤクルト巨人ソフトバンクになります。

 ドラフトの感想

  1. ソフトバンク1位ヤクルト2位にびっくり
  2. そのおかげで中日日ハムオリックス辺りがちゃっかりおいしい二位指名
  3. 巨人はそんなに捕手と内野手集めてどうするのか
  4. 草場は故障?
  5. 高校生投手取られなさすぎじゃね?
  6. 左腕日照り 捕手日照り

こんな感じです。

 ドラフト評価点のまとめ

ドラフト評価点順に12球団を並べるのならば…

日本ハム966→オリックス900→中日856→横浜628→ロッテ573→阪神569

ヤクルト424→広島418→ソフトバンク418→楽天384→巨人350→西武138

になります。実際に活躍するかどうかはともかく、現段階でのファン感情・評論家の意見にはそれなりに合致している順番ではないでしょうか。

独自路線を走る傾向のある西武が最下位は納得ですし、即戦力社会人投手大好きなオリックスが上位なのも納得です。

今年度しか取ってませんが、だいたいが西武のドラフトのドラフト評価点は低く、オリックスのそれは高いです。しかし実際は西武の方が平均順位は高く、オリックスは暗黒期から中々抜け出せません。

ドラフト評価点はやはり限界のある指標でもあります。この指標のみ(orファン感情や評論家の意見のみ)を持ってドラフトを語るのはかなり危険な行為なのが再確認できました。


ドラフトがらみの記事はとりあえずこれで終了です。


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